双眼鏡の見え方・基礎知識
双眼鏡の口径と倍率による見え方比較
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人間の眼の視界はかなり広いので、左の写真のようなイメージにはなりませんが、仮にサル山全体をこのような大きさに捉えていたとき、双眼鏡を使って見た場合の像を再現してみました。 最初は有効径が同じで、倍率を上げていったときの見え方を示します。倍率が上がると、徐々に視界が狭くなり、同時に像が暗くなっていくのが分かると思います。 次に倍率は変えずに有効径が小さくなっていったときの見え方を示します。見える範囲は変わりませんが、有効径が小さくなれば、明るさが低下するのが分かります。
●双眼鏡は同じ倍率、同じ有効径でも機種により視界が異なることがありますので、実際には全てが同じイメージサークルになることはありません。 ここでは、目標の大きさと、明るさの表現のみとさせていただきます。
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7倍50ミリ
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10倍50ミリ
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16倍50ミリ
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スッキリと明るい視界です。動きの速い動物などは、倍率が低いほど視界に捉えやすくなります。また景観を楽しむ場合にも視界が広いほうが効果的です。
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もう少し表情まで見たいとなるとこちらもお薦めです。光の多い日中などでは、明るさも7X50とほとんどかわりません。薄暮時にその差を感じる程度です。
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だいぶ視界が狭まり、明るさも低下してきました。オールマイティーに使うならこの辺が限界でしょうか。ただし16X50は現在ほとんど生産されていません。
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有効径の違いによる明るさ比較
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7倍50ミリ
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7倍35ミリ
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7倍21ミリ
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最も明るい視界が得られるのが7X50です。肉眼より明るく見ることができます。ただし携帯性を考えると少し大きいかもしれません。
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日本ではあまり馴染みのないサイズですがアメリカなどでは一般的で使いやすい双眼鏡です。日中の使用では7X50とほとんどかわりません。
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いわゆるコンパクトサイズの双眼鏡です。明るい日中では問題ありませんが、室内や薄暮時などには暗さを感じると思います。
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人間の瞳は最大で7mm程度ですが、周囲が明るく眩しいときには瞳は小さくなります。 つまり余分な光が入射するのをカットしている訳です。双眼鏡を覗いたときにも同じように機能しますので、明るい所で双眼鏡を使用した場合には上の写真ほどの差は感じられません。 夕暮れ時などにはその差をはっきり感じられます。
8倍X40ミリ 実視界:6.5度
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8倍X40ミリ 実視界:8.2度
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同じ倍率、同じ有効径の双眼鏡でも実視界が異なると見え方に差が生じます。 実視界が広い双眼鏡は見える範囲が広くバードウォッチングやスポーツ観戦に最適です。
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双眼鏡の種類
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●スタンダード双眼鏡 基本的スタイルの双眼鏡。対物レンズ径は30〜50ミリで内部にポロプリズムを片側2個、合計4個内蔵しています。無理のない設計のため像は明るく安定しています。倍率は7,8,10倍が主流です。携帯性はやや悪いもののオールマイティーに使えます。
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●ダハ型双眼鏡 片側3個のプリズムを一つに張り合わせてありますので狂いが少なく、コンパクトに作られているのが特徴です。このプリズムが屋根の形(ドイツ語で屋根=ダハ)に似ているのでこうよばれます。対物レンズ径16〜25ミリ、倍率は6,8,10倍ぐらいが主流です。像は安定していますが、スタンダード機に比べ明るさがやや低下します。携帯性よく野外派向きです。
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●コンパクト双眼鏡 小型のポロプリズムを組み込んだコンパクトな双眼鏡です。デザインが豊富で女性の方にも違和感なく利用できます。対物レンズ径20〜25ミリ、倍率7、8、10が一般的。軽く作られているのも特徴で観劇やコンサートなどによく使われています。
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双眼鏡用語解説
●倍率と有効径 双眼鏡の基本性能をあらわします。双眼鏡本体には8X30などと表示され、この場合8は倍率を30は対物レンズの大きさ(有効径)をミリで示します。同じ倍率なら有効径が大きいほど明るく見え、逆に同じ有効径なら倍率が高いほど視界は暗くなります。
●実視界 双眼鏡本体にはField 6.8°などと表示されますが、これは双眼鏡を覗いて実際に見える範囲を角度で表したものです。倍率が高くなる程視界は狭くなります。
●瞳径 双眼鏡を明るい方向にかざしてみると、接眼レンズの中心に明るい円が見えます。これを双眼鏡の瞳といい直径が大きいほど明るい双眼鏡といえます。
●見かけ視界 双眼鏡をのぞいた際、視野がどのくらい開けているかを角度で表しています。
●1000m先の視界 1km先を双眼鏡・単眼鏡で見たときに見ることができる視野の範囲を表したものです。
●明るさ 双眼鏡・単眼鏡をのぞいた時の明るさを数値で表したものを光明度(明るさ)と呼びます。光明度が大きくなるほど視野は明るく、細部まではっきりと見えます。
●コーティング 双眼鏡のレンズには光の透過率を良くするためコーティングを施すのが普通ですが、さらに透過率を高めたり、色調を整えたりするために何層にもコーティングを施すマルチコーティングが高級機には使われます。冴え冴えとした視界が期待できます。
●プリズム 通常双眼鏡のプリズムはBk7という光学硝子素材が使われますが、さらに屈折率の高い素材のBak4を使ったものが高級機にはよく使われています。さらに明るくシャープな視界が得られ天体観望などには最適なものです。
●アイレリーフ 全視界を覗くことができるときの接眼レンズ゙から眼までの距離をミリで表しています。アイレリーフが長いほど全視界を楽に見ることができ、メガネを掛けての使用に適しています。像の良し悪しには関係ありません。
双眼鏡の選び方
双眼鏡を選ぶ際、ついつい倍率だけに関心が片寄りがちですが、双眼鏡の良さはなんといっても両目で見ることによる立体的で明るい視界が得られることです。 つまり倍率と明るさ、そして視界の広さがバランスされたものが使いやすい双眼鏡といえます。 対物レンズの径が同じなら倍率が低いほど明るく、視界も広くなることは前述しました通りです。 昼夜を問わず双眼鏡をお使いになるのなら有効径が大きく倍率の低い7X50がお勧めですが、携帯性も考慮に入れるなら有効径30ミリ前後で倍率7〜10倍程度のものが使いやすいといえます。
バードウォッチング
倍率が6〜10倍で口径25〜50ミリ程度のものが手持ちで手ぶれを
おこしにくくバードウォッチング適しています。
動きの少ない鳥なら10倍以上でも使えますが必ず三脚を使いましょう。
防水タイプの双眼鏡であれば急な雨などの時に安心です。
コンサートや観劇、屋外スポーツ
6〜8倍のコンパクトタイプが便利です。3倍程度のオペラグラスでも楽しめます。
スポーツ観戦
野球やサッカーなどの競技場の観戦には8〜10倍、バスケットやバレーなどの室内競技の場合は6〜8倍のものが手持ちで手ぶれをおこしにくく選手の動きも追いやすいのでおすすめです。
マリンスポーツ
7倍以上の防水タイプがあると便利です。
月や星座などの天体
7×50が最適です。対物レンズ径の大きいものが明るくクッキリと見えます。
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